2011/08/26

オージェフーフカ(08/26追記)

ラベルが古くなったボトルを見ると、つい手を差し伸べたくなる。
けっしてまずい酒ではないんだろう。
どんな事情でそこに置かれているのかもさることながら、
どんな味なのか飲んでみたくなるのは飲兵衛の性と言うしかあるまい。

清水の酒屋『リバティ』で『オージェフーフカ』を手に入れてきたのもそんな理由からだ。
棚の隅っこにぽつりと一本あったのをつい連れて帰ってきてしまった。




ポーランド語でのつづりは『Orzechówka』と書き、『nutcracker』という意味らしい。
調べてみると地名としてポーランド国内に何箇所か存在する。
地名を直訳とか野暮なことをすると、『くるみ割り人形』か『ホシガラス』と出てくる。
そういや、ポーランドとベラルーシの国境付近にはホシガラスの生息地があるらしい。そこからとったのかな。

まーしかし、ラベルが貼られてから相当な時間がたっているようで、表面がかびていた。
店の管理状態が悪いとかじゃなくて紙も有機物なんだからしゃーない。読めるだけでも良しとする。

販売元のポルモス社というのは、ポーランド政府の国営工場。
第2次世界大戦後に各工場を企業として独立させて今に至る。
系列会社にはあの緑の蓋のスピリタスを造っているポルモス・ワルシャワ社もあったりして、事実上ポーランドの酒造メーカーの最大手のようだ。
ズブロッカなんかも造ってたりするし、伝統ある企業である。

じゃあ、オージェフーフカは今どこで作ってるの?と言われると、それがわかんない。
ラベルには「polmos」としか書いてない。
新しいラベルのオージェフーフカを見てもラベルには「ポルモス」のロゴだけ。
うーん、これじゃ分社化した後に作られたものとも区別がつかないなあ。
ラベルの質からして古いことは間違いないんだろうけど、製造年月日がわからないので調べようがない。
ネットで調べていると国内流通はほぼ全滅っぽいし、手がかりがなさすぎてなんとも。
それっぽい会社名までは辿り着くんだけどなあ。裏付けができないので書かない。

追記:どうしても気になったので輸入元のミリオン商事に問い合わせのメールを出してみたら、大変丁寧な回答のメールをいただいた。
ミリオン商事での輸入は10年以上前に終了しており、製造元のポルモス社も3年前に製造を終了しているそうだ。
少なくとも10年以上前にボトリングされたものってことか。
なんにせよ、私にとっては一期一会のボトルになってしまった。大事に飲もう。


■レビュー

ラベルに『NUT CORDIAL』とあるとおり、ナッツ系の香りがかなりする。甘い匂い。
名前で検索すると、どうやら胡桃のエキスを配合しているようだ。

とりあえずストレートでいってみると、なるほど胡桃というか、若いナッツなんかによくあるえぐみがある。
口の中いっぱいにナッツの香りが広がるので、ナッツ好きな人はかなり好きになれるんじゃないだろうか。
製菓用にも使われるというのも納得。クッキーとかカップケーキとかに入れると美味いだろうなあ。作れないけど。
ひとつ氷を浮かべてもいいんじゃないかと思った。度数も高いしね。


オージェフーフカ
オージェフーフカ(良質酒専門店 リバティ内紹介ページ)
販売元:Polmos社(ポーランド)
度数:45°
容量:500ml